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早川 滋雄*; 友澤 浩二*; 竹内 孝江*; 荒川 和夫; 森下 憲雄
Physical Chemistry Chemical Physics, 5(11), p.2386 - 2390, 2003/05
被引用回数:15 パーセンタイル:44.34(Chemistry, Physical)電荷逆転質量分析における負イオンは、正イオンとアルカリ金属との衝突により励起中性化を経て、自動解離後にさらにアルカリ金属からの電子移動により負イオンを生成する。異性体であるアセチレンとビニリデンクロライドから生成されるCHは、アルカリ金属(Na, K, Rb及びCs)の種類により、生成負イオンのスペクトルが異なることを見いだした。このスペクトルでは、両異性体からのCHは、アルカリ金属のイオン化電圧が低いほどCHに対してCイオンの強度の割合が大きく、さらにCとCHイオン生成量の比がHCCHとHC=C:で大きく異なることを見いだした。この結果の解析により、高励起中性種CHの内部エネルギーは、アルカリ金属種により異なり、内部エネルギーの違いにより解離反応が異なることを明らかにし、さらに高励起中性種を経ずに、CHとHに直接解離する反応が存在することを明らかにした。
小原 祥裕
Review of Scientific Instruments, 69(2), p.908 - 913, 1998/02
被引用回数:9 パーセンタイル:58.46(Instruments & Instrumentation)近年における大出力イオン源開発の進展と核融合研究において果たしてきた役割について述べる。トカマク方式の大型核融合実験装置のために、ビーム出力が数MW級の大出力イオン源が開発された。プラズマの閉じ込めを改善した多極ラインカプス磁場方式により、低ガス圧で高プロトン比のビームを広い領域から一様に生成することが可能となり、本方式のイオン源を用いたプラズマ加熱により、臨界プラズマ条件の実現などが可能となった。一方、ITER等次期装置へ向けた大出力負イオン源の開発においても大きな進展をみた。従来の正イオン源技術をもとにセシウム導入型の体積生成方式負イオン源が開発され、400keVで5MW級の重水素負イオンビームが得られるなど実用レベルに至った。大出力負イオン源の開発は、ITERへ向けたプラズマ加熱・電流駆動装置の実現へ向けて着実に進展しており、ITERでの役割が期待されている。
小栗 英知; 水本 元治; 草野 譲一; 長谷川 和男; 大内 伸夫; 金正 倫計; 奥村 義和; 戸内 豊*
Proceedings of 6th European Particle Accelerator Conference (EPAC98) (CD-ROM), p.749 - 751, 1998/01
原研では中性子科学研究計画の一環として、ビームパワー8MWの大強度陽子リニアックの建設を計画している。現在、陽子リニアックの入射部に相当する正イオン源とRFQを組み合わせたビーム試験を実施しており、ピークビーム電流80mA、デューティーファクター8%の2MeVビーム加速に成功している。また負水素イオン源の開発も進行中であり、正イオン源を改造した負イオン源にてアークパワー18KWに対し、5.5mAの負イオンビームを得ている。現在、本実験結果を基に、新しい負イオン源の設計、製作を行っている。
早川 滋雄*; 遠藤 博久*; 荒川 和夫; 森下 憲雄
Int. J. Mass Spectrom. Ion Process, 171(1-3), p.209 - 214, 1997/00
アルカリ金属ターゲットを用いた電荷逆転質量分析法により、CH異性体の中性ラジカルへの解離機構を研究した。電子励起したアレンとプロピンはそれぞれ相当する正イオンからアルカリ金属との中性化により得られる。その励起分子の解離によって生成する中性フラグメントは、再度の電子移動により負イオンとして質量分析される。電荷逆転スペクトルでのピーク強度とピーク中の比較から、電子励起したCHの解離機構を検討した。その結果2つの水素原子の脱離は、2つの独立なC-H結合解離においては結合エネルギーが小さいほど、その結合が解離し易い。C-C結合の解離は水素原子の脱離に比べて実質的にかなり小さい。このことはC-C結合の振動数がC-H結合の振動数に比べて低いためであると推測される。
早川 滋雄*; 遠藤 博久*; 荒川 和夫; 森下 憲雄; 杉浦 俊男*
Int. J. Mass Spectrom. Ion Process, 151, p.89 - 95, 1995/00
電子衝撃で生成する正イオンとアルカリ金属ターゲトの衝突により,2電子移動で生成される負イオンをMS/MSにより検出する荷電逆転質量分析法を開発した。異性体であるアレンとプロピンから生成するCHイオンとCsターゲットの衝突により負イオンCHm(m=0~3)を生成する。水素原子を2個以上脱離するCHn(n=0~2)イオンは両試料ともほぼ同じ強度を示すが、プロピンで生成するCHイオンの強度はアレンを用いた場合の約2倍でかつピークの幅も広い。このピークの半値巾から計算した運動エネルギー放出は、プロピンで0.64eV、アレンで0.28eVと大きな差異を示した。これらの異性体によるイオン生成の違いは、電子移動による中性化反応過程における励起レベルの違いにより説明できる。通常の衝突誘起解離では、異性体イオンについて弁別することができないが、本方法では可能であることが明らかになった。
南波 秀樹
質量分析, 43(5), p.313 - 322, 1995/00
電子線を用いた排煙処理法に関して、石炭燃焼排煙を例にとり解説すると共に、その基礎的な反応機構、特にその反応の初期におけるイオン-分子反応の役割について詳述する。このイオン-分子反応におけるクラスターイオンの重要性を述べると共に、この過程で生成すると予想されるラジカル種について論じる。主要正イオン種であるHO(HO)、生成可能な正イオン種NH(HO)と主要負イオン種であるO(HO)、生成可能な負イオン種CO、SO(HO)との中和反応からはHOラジカルが生成する。しかしながら、生成可能な負イオン種であるSO(HO)の中和反応からは、OHラジカルが生成すると共に、硫酸ならびにそのアンモニウム塩が直接生成する可能性がある。
栗山 正明; 小原 祥裕; 秋野 昇; 海老沢 昇; 花田 磨砂也; 井上 多加志; 樫村 隆則*; 伊藤 優*; 伊藤 孝雄; 河合 視己人; et al.
Fusion Technology 1992, Vol.1, p.564 - 568, 1993/00
原研では、正イオン及び負イオンNBIシステムの研究開発が行なわれている。正イオンNBIは、準垂直入射用NBIと接線入射用NBIから構成されている。10基のビームラインから成る準垂直入射NBIは、ビームエネルギー120keVで29MWの重水素中性ビームを入射することを目標とするもので、現在までに90~95keVのビームエネルギーで23MWまでのパワーを入射している。4基のビームラインから成る接線入射NBIは、既設の準垂直NBIを改造したもので、新規に製作したのはビームラインタンク、漏洩磁場打消コイル等のみで、主要なコンポーネントであるイオン源、中性化セル、偏向磁石、ビームダンプ等は配置を変えるだけで再使用している。重イオンNBIに関しては、JT-60U用及びITER用のためにR&Dが進められている。これらのR&D結果を基に500keV/10MWの負イオンNBIシステムが建設される。
藻垣 和彦; 花田 磨砂也; 柏木 美恵子; 渡邊 和弘; 小島 有志
no journal, ,
日本原子力研究開発機構では、JT-60Uのコイルを超伝導化するJT-60SAプロジェクトが2019年3月のファーストプラズマを目指して現在進行中である。JT-60SAでは、プラズマの主加熱装置である中性粒子入射加熱装置(以下NBI加熱装置)には、ビーム電流27.5A、パルス幅100秒の正イオンビームが要求されている。正イオンビームの入射実績としては、JT-60U実験運転において30秒入射の性能確認ができている。イオンビーム100秒生成に向けて、2005年に韓国と締結された、「核融合研究開発における研究に対する研究協定」を基に、韓国原子力研究所において、日本原子力研究開発機構の正イオン源と、韓国原子力研究所の試験装置を用いた共同実験による性能確認試験を行った。今回、正イオンビームの長パルス化に向けて、放電ガス圧の制御技術や、印加する加速電圧の配分を細かく制御するなど、長パルス運転手法を開発し、2MWのビームを100秒間生成することに成功した。本稿では、韓国原子力研究所で実施した長パルス引出試験について報告する。